──普通、あんなとこで待ち合わせたりする!?
心中、憤りは尽きないけれど、席に座ってしまえば、今度は映画の内容が気になって仕方ない。
あまり怖くありませんように、と無駄な祈りをした。
座るとすぐに照明が落ちて、本当に時間ギリギリだったんだなと思い知らされる。
ケータイの電源を切ったところで、予告が始まった。
気が気じゃなくて、予告を観るどころじゃない私に、秋月会長が腕を突き出した。
無防備だった私は、二の腕に軽く肘打ちをくらう。
「なんですか」
ひそひそと声を落とした私に、秋月会長は無言のまま、一瞥を投げて寄越しただけ。
突き出したと思ったのは私の気のせいで、腕が長くて当たってしまっただけなんだろうか。
腑に落ちないながらも、顔をスクリーンに向けた私。
予告は終わり、本編が始まる寸前。
もうこの段階で既に心臓ばくばくの私へ、
また腕が当たった。



