もう予告が始まってるかもしれないという段になり、漸く思い至る。
「現地集合って言ったけど、あの意味ってもしかして……」
不安に思った私が、映画館へ駆け込むと。
ホラーを上映する、スクリーン5と書かれた扉の前に、秋月会長の姿があった。
見慣れた制服姿ではなく、黒を基調とした私服。
制服では気付かなかった脚の長さには、一瞬見とれてしまうほど。
無表情でこちらを見た秋月会長に、私は思わず頭を下げた。
「遅れてすみません……」
映画はかろうじてまだ予告も始まってなかったようで、扉は開いていたが、
待ち合わせに遅れたのは事実。
これを待ち合わせと言うならだけど。
釈然としない気持ちを抱えながら、私はチラリと頭を上げると、秋月会長は視線をそらした。
「行くぞ」
フォローの言葉も何もなく、つかつかと扉の向こうへ歩いていく。
これから観る映画の内容も含め、溜め息が出た。



