「同じ事、何度も言わせんじゃねぇ」
「え?」
「詫びじゃねぇっつってんだよ」
「え、でも、だって──」
「俺は、んなマメじゃねぇよ」
あぁ、それは納得。
でも、じゃあ、どうして。
私の顔いっぱいに、それは現れていたと思うのに、
むしろそれを訊かれる前に先回りをするみたいに、睨みつけて来た。
「観ねぇのか」
選択肢を提示してるようだけど、その実、選びとれるものはひとつしかない、眼力。迫力。
「……観ます」
かすれた声。
秋月会長は微かに口角を上げ、一瞬だけポンと私の頭に手をのせた。
ぐ、と圧力が加えられ、軽く前にカクンと頭が下がる。
「上出来」
降り注いだ声は、別人のように優しくて。
完全に不意をつかれた私の心臓が、とくんと高鳴った。



