それにしても視界が暗い。
不思議に思うより早く、サキが苛立ち強く言った。
「アキ、邪魔」
暗いもそのはず。
私の目の前に、秋月会長がこちら向きに立ち、光を遮っていた。
「ひとが来るから開けとくって、ひとこと言ってくれたら良かったのに。そしたら面倒がらずに開けときましたよ」
秋月会長の後ろから、からかうような声色で、声だけが聞こえてくる。
ふいっと秋月会長が背を向けて奥へ行ったので、言ったひとの姿が見えた。
コハルが椅子に座って、書類だらけの机を前に笑いをこらえている。
「開けたら閉めるを徹底させるのに、そういうこと」
しかしコハルのその一言が、秋月会長の何かに触れたようだ。
「コハル。来週ある園芸部主催の緑化美化運動、お前行け」
秋月会長から放たれた言葉に、コハルは間髪入れずに抗議の声を上げた。
「えー!! あれはクジ引きって」
「いいから行け」
「横暴だぁ……サキもそう思わない?」



