「あ、でも……いいんですか?」
執務の邪魔になったりしないだろうか。
以前生徒会室へ行ったとき、迷惑そうにされた事がまだちょっとこたえている。
「別に」
そう言って、秋月会長は階段を昇って行ってしまう。
私が、待つも待たないも、行くも行かないも、なんにも言わないうちに。
踊場から姿が消えそうになって漸く、私も足が踏み出せた。
駄目なら最初から言わない……よね?
私が踊場に昇ったときには既に秋月会長の姿は見えなくなっていて、
たぶん先に生徒会室に入ってしまったんだろうけど、
一般生徒の私が、そのあとを追って突然入っていいものかどうか迷う。
生徒会室に何か用事があるわけじゃないし、
むしろ『やっぱ邪魔』とか言われたりするかもしれないし、
他のとこで待ったほうがいいかな。
それならそれで、秋月会長にちゃんと、何処で待ってるか言わないと……
どちらにしても生徒会室へは行かなきゃならないんだし、
覚悟を決めて生徒会室の扉前に来てみれば、扉は無情にもピタリと閉まっていた。



