サキとはついこないだ顔を合わせたばかりだけど、元々キツい顔立ちであるとはいえ、
こんなにも不快感をあらわにしてる顔は見たことない。
まぁ、サキの好き嫌いは確かに激しそうだけど。
サキは、大嫌いな食べモノ──否、食べモノとすら認識したくないものを誤って口の中に入れてしまったかのように、
唇をへの字に結んで、ピクリとも動かない。
そこまで毛嫌いする程のひとだろうか。
何が彼女をそうさせるのか、きいてみたいと思ったけど、私はさすがにそこまで命知らずじゃない。
かといって他の話題も振れない私。
気まずく黙り込むしかなかった。
校内に、お昼休み終了を知らせるチャイムが鳴り響く。
無言でいたのは、数分ですらなかったかもしれない。
体感としては何時間にも感じたけど。
予鈴に立ち上がっていいものか逡巡する間もなく、サキの唐突な言葉で、沈黙が明ける。
「悪かったな、昼飯くいそびれさせて。
でもあんた、ちゃんと釘さしておかないと、なんか危なっかしいんだよな。
気ぃ引き締めろよ。
ぽーっとしてっと、アイツに遊ばれんぞ」
名を出すのすらおぞましいというように吐き捨てた。



