「はぁ……」
教室に戻って席につき、溜め息をひとつ。
時計を見れば、お昼休みが終わるまで、あといくばくもない。
お弁当を、机の上でのろのろと広げてはみたけれど、
食べようという気にあまりならなくて、
お箸を持ち、また溜め息をおとす。
「はぁ……」
胸がいっぱいというか、圧迫感があるというか、塞がれた感じというか。
さっきの秋月会長の、振り返りざまな軽く口角を上げた顔が、何度もちらつく。
「はぁ……」
ついにはお箸を持つことすら億劫になって、私はそっとお弁当の蓋を閉じた。
そして何度目かの溜め息をつきそうになった刹那、
前から言葉の鉄拳が飛んできた。
「いい加減やめねぇと殴るぞ」
視線を上げれば、よく整えられた眉を存分にひそめたサキの顔が、こちらを向いている。
「さっきからハアハアハアハア溜め息うっせぇよ」
「あ、ごめんなさい」



