何に対しての謝罪なのか、わからずにいる様子。
考えてるようには見えないから、先を続けるのを待ってるのだろうと察した私は言った。
「私のぶんまで怒られたんじゃ……」
「──別に」
素っ気ない言葉。
それだけでは愛想がないと思ったのかなんなのか、溜め息をつきながらも、補足を繋げてくれた。
「おそらく朝、ナツキでだいぶ発散したんだろうな。俺は主に別件の話だったから、大して怒られていない。
気にするな」
無愛想ではあるけど、わざわざキチンと説明してくれるなんて。
どういう風の吹き回しだろう。ちょっとビックリした。
でも秋月会長の気まぐれもそこまでか、首の向きを直した彼はまた歩き出してしまう。
数歩進んだところで、「……あ」と止まり、もう一度振り返った。
「放課後、待ってろ」
ぽかんと口を開けた私が、慌ててこくんと頷くと、秋月会長は口の端を少しだけ緩めた。
「上出来」
不覚にも、胸が高鳴る。
でも。
笑顔の前に、ほんの少し寂しそうな瞬きが見えた気がした。
あまりに一瞬だったから、気のせいかもしれないけど。



