学校から少し離れた、あまり人目につかないような場所で、バイクは止まった。
恐る恐る降りて、捲れないように押さえてシワになりそうだったスカートを、そっと伸ばす。
秋月会長はバイクのエンジンを切って、私からヘルメットを取り上げると、昨日と同じところへバイクを転がした。
そして無言で私に背を向け、校舎へと歩いて行く。
「……なんなの、一体」
わけもわからずに取り残され、苛立ち紛れに言葉を吐き捨てた。
溜め息をついて空を見上げれば、いい天気。
私が失恋をしたって、空は晴れるし、雲も流れ風も吹く。
学校は登校しなきゃならないし、だから秋月会長のバイクに乗る羽目になったわけだし。
しかし、なんで秋月会長はうちに迎えに来たんだろ。
首をひねりながら、私は校舎へと向かった。



