でも秋月会長からの答えはなくて、代わりに溜め息が落ちてきた。
それだけでも、表情から笑みが消えてるのがまざまざと思い知らされる。
しばらく押し黙った秋月会長から、ようやく紡ぎ出された言葉は、私の心深くを沈ませる重さがあった。
「オマエ、もういいのかよ」
「え……?」
何の話なのか全くわからなくて、私は思わず顔をあげてしまう。
不用意な、心が丸裸の状態で、秋月会長の真摯な瞳とぶつかった。
ズキンと胸の奥に突き刺さる視線は、熱を持っている。
さっきから何度も言ってたのはこのことだと、その瞳が告げていた。
秋月会長にとって、とても重大な何かであるように、私に感じさせるほどの視線。
今度は逸らす前に言葉が発せられた。
「ユキトの事」
「ユキト、さん……?」
思いがけないタイミングで出てきた名前に、まだ無反応でいられない。
頬を紅潮させた私に、秋月会長は舌打ちを返して寄越した。



