「あの……」
息をし過ぎて掠れた、私のものじゃないみたい声。
思考とはどこか遠くに離れていて、誰かの口を借りてるみたいに億劫だ。
『ん?』って問いかけるような秋月会長の視線が、思った以上に私を貫いた。
「い、いいんですか、生徒会長がこんな事して」
狼狽したあげく、なんとか口をついたのは、そんな陳腐なもので。
自分に幻滅する。
私が訊きたかったのは、そんなんじゃない。
本当は、さっき私が聞き逃した言葉は一体なんだったのかとか、
どうして手をひいたのかとか、
訊きたかったのだけど。
──意気地なし。
訊いたのちに訪れるであろう言葉に怯え、あたりさわりのない事しか口に出来なくて。
視線もそらし、うつむく事しか出来なかった。



