「オマエ──」
「生徒は早く教室へ行けー!」
何か言いかけた秋月会長の声に、先生のがなり声が被さる。
肝心な部分が全然聞けてない。
聞き直すには、時間が差し迫り過ぎている。
私はちょっとくらい遅れたって構わないけど、
生徒会長が正当な理由なく遅刻するなんて、
先生は絶対に許さないだろう。
先生に追い立てられながら、昇降口へ向かう生徒たちの流れの中、
それでも何とか聞き直そうとしていると、
いつの間にか秋月会長が私の隣に来ていた。
「あの、さっきの言葉……っ」
なんと言ったのか聞こうと、彼に声を掛ける。
なんでこんなにも秋月会長の言葉が気になるんだろう。
自分で自分が不思議だけど、気になるんだから仕方ない。
きっと、呼び止められたのに途中で寸断されてしまったからだ。たぶん。
秋月会長は、私が聞き逃したのがわかったみたいで、
心なしか、先程よりもほんの少し大きな声を出した。
「オマエ、」



