「コラッ! 聞いとるのか夏木!」
「うわッッ! んな大声耳元で出さなくたって、ちゃーんと聞いてるって。
あ、オハヨーゴザイマース」
「夏木ー! そこへ座れー!!」
堪忍袋の緒が切れたらしい先生越しに、生徒へ挨拶をする振りをして、私にそっと目で合図する。
それに気付いてふと時計を見ると、そろそろ朝の挨拶運動も終わる時間だ。
随分ここで暇を潰してしまったから、もうこんな時間になっていて驚いた。大多数の生徒は校舎に吸い込まれている。
ナツキと私との間には生徒なんて一人もいないのに、ナツキと私との目が合ったんだから、
ナツキに向けられた視線は、まず私で間違いないと思う。



