だからてっきりそのまま、繋がりは切れてしまうかと思ったのに。
「……おはよう、藍川」
こちらを振り向きもしないまま、そよ風のように届いた言葉に、
ほんの刹那の間、私の中の時間が止まる。
胸を塞いでた鉛が、様々な理論を飛び越えて一瞬にして気化したんじゃないだろうかというくらい、途端に消えた。
私の意識が向いたときには、もう秋月会長は列へ加わっていて、何事もなかったかのように生徒達へ挨拶を返していた。
塞いでたものが消えても、そこにあったことが確かなくらいには、まだ跡を残してる。
でも、挨拶が返ってきたということは、少なくとも怒ってはいないと捉えてよいだろう。
止めていた足を動かして、一歩前に踏み出した、その時。
荒々しい怒声が響き渡って、私はそちらを目に捉えながら、身を竦ませた。



