周りの家々はポツポツと明かりがついているけど、私の家はどの窓からも明かりは見えない。
カバンから鍵を取り出すと、つけていた鈴がチリンと鳴った。
鍵に鈴をつけたのはいつだったろう。
それは確か、小学校上がってすぐの頃。
キラキラした鈴と、カチャカチャと鳴る自分専用の鍵がなんだか嬉しくて、
持たされた日は1日中眺めてた。
それが何を意味するかなんて知らずに。
鈴の音が侘しく聴こえるようになったのは、それからすぐのことだった。
父と母の共働きという家庭は少なくないと思う。
そうは思っても寂しいのは事実で。
だけど両親にそんなことは言えるはずもなく、
暗い家の中で泣きじゃくる歳はとうに過ぎ、
どこか慣れてしまった自分がいた。
ガチャリ、と乾いた音をたてながら、静かで暗い家の中へと入っていった。



