それにコンビニ前で会ったあの時、不意に近付かれたことも拍車をかけている。
ナツキは、私の警戒を和らげるつもりも無さそうで、口ではああ言いながらも、気にしている素振りはない。
私の机上に置かれたカバンをチラリと一瞥し、さらりと会話を続ける。
「帰る準備は出来てるよな?
じゃあ帰るぞ」
「へ……?」
間抜けな声が出たが、開いた口をふさぐ算段が揃わない。
文字通りポカンと口を開けておくしか出来なくて、
その顔を見たナツキに吹き出された。
「結香チャン、曲がりなりにも女の子だろ?
なのにその顔はヤベーだろ」
「や、だって……なんで突然」
いきなり『帰るぞ』とか言われたら、困惑するのは当然だと思う。
確かに女の子にはあるまじき顔をしてしまったかもしれないけど、
その位驚いたのだと大目に見て、見なかったフリをして欲しい。



