秋月会長じゃなかった動揺を隠すように、私は勢いよく後ろを振り返った。
「おっと……」
反動でだろう。
私の目を覆っていた手が離れる。
後ろへ一歩下がったらしく、私の耳側に寄せられてた顔は、
領域を保った位置へと移動していた。
仕掛けた悪戯が無に帰した事を嘆く人物が、目に飛び込む。
うまく発動しなかった事に残念そうな顔をしつつ、
苦笑しながら話し掛けてきたのは、
ナツキだった。
「そんなに睨まなくてもいーんじゃない?」
「……すみません」
「あ、睨んでること認めちゃうんだ」
「そうじゃなくて、そう見えたならすみませんって言いたかったんですけど……」
私の言い訳など聞こえないようで、
しょっくだなーなんて、拗ねたように言っている。
しかし、ほぼ初対面の異性にあんな接触をしたら、
警戒されて当たり前だと思うんだけど……



