そうしているうちに、チャイムが鳴った。
一限目には出るべく、私がそろりと立ち上がろうとすると、サキが座ったまま
「いくのか?」
と声を掛けてきたので、私は頷きを返す。
「崎谷さんは?」
「サキでいーよ。あたしは、今日はこのまま帰ろっかな」
んーっと伸びをしたサキを、私はまじまじと見てしまった。
まだ一限目も始まってないのに帰るなんて、一体何しに来たんだろう。
まさか私に言う為だけに来たわけじゃないだろうし。
「って言いたいとこだけど。
出席日数ヤバいから、出れる時出とくしかねーな。
先行けよ」
面倒くさそうにそう言うと、大きなあくびをひとつして、
しっしっと犬猫を追い払うような仕草をする。
一緒に教室へ行くつもりもなかったから、私は彼女を残し、階段を下りて教室へと向かった。



