所在なさげに咥内をうろつく飴を、舌で弄ぶ。
自分の歯に当たる音が少し耳障りなのは、
あまりにも静かだからかもしれない。
取り立てて話すことがあるわけでもないから、無言。
気まずい。
こんなふうになるなら、気まぐれでサボるんじゃなかったと思っても、後の祭。
今からでも、びっくりするぐらいとびっきりの遅刻ってことで教室に行けないかな……なんて思ってたら、サキから声を掛けられた。
「ねぇ」
気怠げな声色に、私は心の中で身構える。
視線を合わさぬまま耳をそばだてると、サキはゆっくりと口を開いた。
「昨日……途中でほっぽりだして、悪かったね」
気まずそうにそう告げたサキに、見てないとは知りつつ、私は微かに左右に首を振った。
「ううん……大丈夫、です」
「なんで敬語だし」
「え。うーん……なんとなく」
「ま、いーけどさ」



