「あたしはサボり」
私が何か言う前に、さっさと自分のことを告げると、
少し間隔をあけて、私の隣へと座った。
「一服、いい?」
訊いておきながら、これまた私の返事を待たずに、
スカートのポケットへと手を入れる。
未成年とか言うつもりはない。
もう自分の管理くらいしてもいい歳だと思うから。
でも一応断ったとはいえ、私は一言もいいと言ってないし、
臭いがつくのも困る。
タバコならどこか余所でやって、と言おうとしたけど、
もしかしたらここは彼女が普段使う特等席で、
私が移動すべきなのかも……なんて考えていたら、
サキがカサカサと音を立てながら取り出したのは、
私もよくお馴染みの、ミントキャンディだった。
拍子抜けした私の顔を見ていたのか、
サキがけたけたと笑う。
からかわれたのだと知り、私は余程な顔をしたらしい。
「ほい。アンタにもやるから、一服したら?」
詫びも兼ねるような言いぐさだが、まだ声が笑っていた。
なんだか悔しいから、差し出されたミントキャンディを遠慮なく受け取って、私はコロンと口の中に転がす。
ミント独特の香りが鼻をくすぐった。



