階段のてっぺんには、アルミサッシの扉がついていた。
手をかけて開けようとすると、
ガコン、と扉に拒絶された。
深く息を吐いてドアを背にし、ストンと腰を落とす。
冷たいリノリウムの床だったけど、動くのもなんだか面倒くさくて、その姿勢のままでいた。
ケータイを取り出して時間を見ようとした時、
下から階段を上がってくる音がした。
私が座っているのは、階段を全部昇らなくても見える位置。
当然引き返すと思われた。
私だったら、こんな時間にこんなところに知らないひとがいたら、まず近寄らないから、
誰が来たのかは知らないが、そのひとも当然そうするだろうと思った。
だけどタンタンタン、と規則正しい足音がして、
私のすぐ目の前でキュッと上履きが鳴る。
そして頭上から、笑みを含んだ声が聞こえた。
「サボり?」
声に釣られるように顔を上げると、目線の先には片側の口角をくいっと上げたサキが、立って私を見下ろしていた。



