秋月会長にそんな事を説明する必要なんても、義理も何も全くないんだけど、
あまりに詰め寄ってくるから、言わなきゃいけないような気がして。
ほんのり香る秋月会長の香水が、胸の鼓動を速めるから、少し口早に言った。
夜、アイスが食べたくなって、コンビニに行ったこと。
帰りに声を掛けられたこと。
ありのまま、並べた。
全て話し終えると、秋月会長は溜め息を落とした。
ほんの少しだけ、緩んだ気配がする。
「何もなかったなら、いい」
そう言いながらも、体勢は変わらずで、解放してくれる気配がない。
「あの……?」
腕をどかすどころか、私の顔の真横に秋月会長の頭が置かれ、
さらさらとした黒髪が、風の加減で頬に触れた。
秋月会長の香りが鼻腔をくすぐるのが相乗効果となって、私の意思に関わらず、心拍数を跳ね上げる。
収まらないどきどきに、私の思考は真っ白に飛んでいた。
「ウゼェ……」
そう聞こえたような気がするけど、心臓のばくばくがうるさくって、
ちゃんと聞き取れたか自信ないから、言うに言えない。



