「あの……お先にどうぞ。私に合わせてたら、挨拶、間に合わなくなっちゃいますから」
そもそもなんで私がこんな気を回さなきゃならないのか、ちょっとおかしいと思う。
秋月会長は腕時計を見て、小さく舌打ちをした。
時間的に間に合わないことはわかっていたんだろうけど、
改めて再認識したという感じだった。
秋月会長は、自転車乗るどころか、歩みを速める事すらしない。
私の歩みと同等のペースを崩すことなく、彼は言った。
「明日から、20分早く出るぞ」
……え?
「あの……私を置いて登校するという案は」
「却下」
にべもなく切り捨てられて、さすがに私も気になってくる。
「なんで私が会長に合わせなきゃならないんですか」



