もしかして気付いたんだろうか。
バイクの音が近所迷惑だということに。
自分が昨夜考えてた事のうちの一つだから、私が勝手にそう結論付けるのも早かった。
秋月会長の真意は、表情が読みとれずに言葉が少ない以上、はかるだけ無駄な気がする。
気になることは、もうひとつあった。
「あの……二人乗りって確か、道交法か何かにひっかかるんじゃ……」
校則よりももっと社会一般的な規則に。
傘さし運転や並列運転が危険と言われてるように。
そんなの気にしたことなんて皆無に等しいけれど、このままだと本当に毎日迎えに来そうだから、
かこつけて、乗るのを拒否したつもりだった。
だけど秋月会長は、私をちらりと一瞥すると、息を吐くように呟く。
「……今更」
──何が今更なんだろう。
校則を破ってバイク通学をしてること?
でも校則とは違うし……
はかれないでいる私に、秋月会長は投げやりに言った。
「じゃあ、乗らなきゃいい」
アッサリと引き下がった事に、私は内心不審に思いながらも、
ペコリと頭を下げて、秋月会長のわきを足早に通り抜けた。



