ね、寝てた……?
うっすらと赤くなっている目に、たった今まで寝ていたのだと知る。
私の考えが外れてほっとしたと同時に、タネがわかってみればなぁんだと思うような寂しさもあり、複雑な気持ちになった。
「送る」
秋月会長はそう言って、自分の荷物の他に私の荷物をも携えて、ガラガラと保健室を出て行ってしまった。
……わ、私の意思は……?
正直、秋月会長には関わりたくない。
それに今は、ひとりになりたい……
それでも戸を開けた向こうで私を待っているらしい秋月会長をそのままにしておくわけにもいかず、
私はベッドから立ち上がって、スカートを手ではらって簡単にしわを伸ばすと、
秋月会長に向かって歩き出した。



