私は柴崎未央(しばさきみお)
 
 
公立高校に通う、ごく平凡な高校2年生。
 
 
 
部活は明美に誘われて中学校からやってる吹奏楽部。
 
 
楽器はペットことトランペット。
 
 
 
 
 
 
 
 
「おい、お前ら何雑談してんだよ。そろそろチューニングしろよ」
 
 
 
 
 
―うっわ…出たっ!
 
 
毎回不機嫌な顔して私の前に現れるコイツの名前は、
 
 
 
 
 
 
浅野一哉(あさのかずや)
 
 
同じく高校2年生。
目を会わせれば言い争っているという、犬猿の仲なのだ。
 
いつもあっちから喧嘩をふっかけてくる。そんなに私が気に入らないのだろうか?
 
 
それに今はクラスが同じっていう…
 
 
 
 
なんで同じ文理選択なんだよー!
 
と自分で自分を恨む。
 
 
 
 
 
 
 
 
「はいはいっ!今からやるところじゃん」
 
 
 
「どこがだよ…お前は楽器も出してねぇじゃねぇか」
 
 
…プチ
 
 
今、聞きました?!
 
私を"お前"て上から目線じゃありませんでしたか?
 
 
キィィイィー!!
 
 
 
コイツは何様なんだっ
 
 
 
 
私がプチ切れたのを悟った明美は、
 
 
 
「これ以上言い争ってもしょうがないから、浅野君もチューニングやろ?」
 
 
 
と止めに入った。