その日、初めてホテルから一緒に帰った。

いつもは近くの駅からなのに・・・。

いいの?と聞く私の手を離さなかった課長。

今日は最寄り駅の近くで、お好み焼きを食べた。

「ちょっと、寄り道しようか・・・」

課長は手を引いて、ぐんぐん歩いていく。

「どこ行くの?」

「内緒。」

繋いでる手は離さないけど、どこに行くか、教えてくれない・・・。

連れて行かれたのは、小さな公園。

「ここ?」

フッと笑うと、課長はブランコに座る。

「浅姫も座って。」

言われるまま、ブランコに座る。

ブランコなんて久しぶり。

いつ以来だろう・・

ちょっと、嬉しくなった私は少しブランコを漕ぎ始める。

「かわいいな。浅姫は。」

それでも、漕ぐのを辞めない。

課長はずっと、見てる・・。

しばらくすると、空からドーンと大きな音がした。


ドーン  パラパラ

ドーン   パラパラ


ビックリして空を見上げる。

「うわあ、綺麗・・・・」

そこには、たくさんの花火が上がってた。

思わず、課長の顔を見る。

「今日、花火あがるって聞いたんだ・・」

何発もあがる綺麗な花火に、思わず見惚れる。

「満足?」

「うん。」

課長が立って、私の座ってるブランコの前にひざまずく。

えっ?

なに?どうしたの?