ジュエリーボックスの中のあたし

「ユキ大丈夫!?」



あたしはすぐにユキに向き直ると、血だらけの手にそっと触れた。



「自分の心配しろよ。」


ユキはあたしを上から下まで見下ろした。



今気づいたけどあたしの格好はボロボロだった。


橘さんに無理やり破かれた服、ブラは丸見えだし、髪はグチャグチャ。



「あたし何ともないもん。ごめんねユキ。あたしのせいで怪我させちゃったね。」



あたしはユキの握ったままの拳をそっと開いてその手を握った。



しかしユキはおもむろにあたしから視線をそらした。



「コホン。あのーミリ、あんまりね、そんな無防備な格好で男に触っちゃダメ。」



軽く咳払いをしたユキは着ていたコートを脱ぐとそっとあたしに着せかけた。



「やだ。あたしはユキに触りたいんだもん。」



初めてあたしに動揺を見せたユキ。



あたしはここぞとばかりにワガママを言った。