ジュエリーボックスの中のあたし

しかしそれは遅かった。


あと一歩で扉に手が届くというところで、あたしは橘さんに腕を掴まれ、思いっきり床に打ちつけられた。



あたしの背中はテーブルに打ちつけられ、その拍子に飲みかけのホットミルクは床にこぼれ、お気に入りのマグカップは粉々になった。



痛みで何も出来ないでいるうちに橘さんはあたしの上に跨ってきた。



ミッキーを仰向けにした時、あたしは橘さんにとらえられたんだ。



あの時ミッキーにさえ触れなければ、ユキの言うとおりにしていればこんなことにはならなかったのに。



後悔したところでもう遅い。



橘さんは強引にあたしの服を脱がせにかかった。


「やめて!」