帰ってきてからあたしはあのマンションに帰るなと言ったユキの真意を問いただしたけど、ユキははぐらかすばっかりで何一つ真実は得られなかった。





「だーかーら、ミリと毎日一緒に暮らしたいなと思っただけなんだってば。」


「いつまではぐらかすの?そんな答えであたしが納得するとでも思ってる?」



「ミーリー。もう寝ようよー。ほら見て、空も薄明るくなってきたよ。」



ベッドの中でユキは眠そうにしわがれ声を出した。



あたしは真意を聞くまでは絶対寝させないと決意し、ベッドには入らずベッド下の床、ユキが寝ている横に座り込み質問責めにしていた。



いくらあたしがユキにめんどくさい女と思われたくないと思っていたって、今回は住まいを奪われそうなのだ。



めんどくさいほど質問する権利がある。



誘拐された日、あたしは黙って条件をのんだのだから、今回これくらいしつこくたって許されるでしょ。



「ミーリちゃん、ほら入っておいで。」



ユキは布団を開き自分の隣をおいでとポンポンしたけど、あたしはこれを無視した。



「なんで教えてくれないの?ユキそういえばミッキーとミニーちゃんの人形見てから様子おかしかったよね。」



「…。」



突然黙り込んだユキを見て、あたしはチャンスとばかりに畳み掛けるように話を続けた。