ジュエリーボックスの中のあたし

着替えて居間に戻るとユキはもうベッドから降りていた。


しかし変わりに棚にあるミッキーマウスとミニーマウスの人形をまじまじと見ていた。



「なにしてんの?」



返事がない。ミッキーの目をジッと覗き込んでるだけだ。



「ユキ?ユ「ミリこれどうしたの?」



あたしの言葉を遮っての突然の問いかけに戸惑った。



「え?どうしたのって?」


「買った?」


「貰ったの。」


「誰に?」


「お店のお客さん。」


橘さんにと言おうとしてやめた。



また機嫌を損ねるのはよろしくない。



しかしユキは鋭く切り込んできた。



「客って誰?橘?」


嘘をついてもばれるだけ。



「うんーまあ。」



結局言わされるはめになった。