それでも橘さんにアフターに誘われ、すぐにでもユキのもとに帰りたいあたしだったけど、橘さんがこの状態。


なんとなく断るわけにもいかずあたしは内心しぶしぶ、表面嬉しそうに承諾した。







アフターで橘さんと食事をしたあと、あたしは自分のマンションの前にいた。


いつもアフターの後はこのマンションの近くまで送ってくれる橘さんにユキのマンションを教えるわけにもいかず、あたしは自分のマンションの前にいる。


時計をみると時間はとうに２時を回っていた。


早寝のユキはとっくに寝ているだろうな。


今日は自分の部屋に帰るかと思い、エントランスに向かったが２、３歩かないうちに、あたしはエントランスとは逆方向の大通りに向かって走り出した。


手を上げ勢いよくタクシーに乗り込んだあたしは行き先を告げた。


もちろんユキのマンション。


眠っていてもいい。ただそばにいたかった。


タクシーは走り出した。