しかしゆきと唇を合わせることは叶わなかった。


目を閉じると同時にあたしの意識は下へ下へ…



たぶん橘さんの時から持ち続けた緊張の糸がぷっつり切れたのと同じにあたしの意識も切れてしまった。



最後に感じた感触はゆきの唇、ではなくゆきの肩の筋肉とそのぬくもりだった。



「…やばい。」



あたしを支えながらそうつぶやいた声をぼんやり聞いた。