俺は、神崎 壱生(かんざき いっせい)。25歳。
高校教師をしている。担当は数学。
まだ教師になりたてだし、大変な事は多いけど、
生徒はみんな、可愛くて良いやつばかりだ。
そんな可愛くて良いやつらは、俺を“壱生"と呼び捨てにする。
周りの先生方に比べて、俺がまだ若いからか?
“神崎先生”でいいのに……。
俺のクラスの高橋によると、
“壱生先生”だと、“せ”と“い”ばかりで言いづらいらしい。
うん、まぁ確かに。
俺の彼女も教師で、教育実習の時に運命の出会いを果たした。
だからこの仕事には感謝してんだ。