「私も何か咲哉さんにプレゼントしなきゃ……」
穂乃ちゃんが顔を上げてそう言った。
「俺はいいよ」
「ダメ!」
「俺はいいんだって……」
俺は穂乃ちゃんの頭をポンポンとした。
「でも……」
俺は……穂乃ちゃんが傍にいてくれるだけで幸せだから……。
穂乃ちゃんとこうしていられるだけで幸せだから……。
だから何もいらない。
「…………やっぱりダメ!」
穂乃ちゃんは俺の体を手で押し退けると、ソファーから立ち上がった。
「穂乃ちゃん?」
穂乃ちゃんが俺の腕を掴む。
「これから買い物に行こ?」
そう言うと、俺の腕を引っ張った。
「だから俺はいいんだって……」
「ダ~メ!咲哉さんが行かなくても、私は行くからね。咲哉さんのクリスマスプレゼントを買いに行くから!」
穂乃ちゃんは握っていた俺の腕を離した。
あぁ……もう……。
「わかった……」
俺はソファーから立ち上がると、穂乃ちゃんの後ろから抱きついた。
キミには敵わないよ……。



