「穂乃ちゃん」
「あっ、咲哉さん」
穂乃ちゃんが笑顔を見せる。
俺は穂乃ちゃんの隣に座った。
「穂乃ちゃん、これ……。俺からのクリスマスプレゼント」
俺はテーブルの上に部屋の鍵を出した。
「えっ?えっ?」
穂乃ちゃんが俺と鍵を交互に見る。
「咲哉さん……」
「ここに入居した時に、不動産屋から2つ鍵をもらったんだけど、2つも必要ないから、1つ穂乃ちゃんにあげる」
「いいの?」
「うん。俺がいない時でも勝手に入っていいから。ここを好きに使っていいから」
「ありがとう……」
そう言った穂乃ちゃんの目から涙がこぼれ落ちた。
「泣かないでよ……」
俺はそう言うと、穂乃ちゃんを抱きしめた。



