「咲哉さん……。もっと……キスして?もっと……ギュって強く抱きしめて……。私も……咲哉さんが好き……」
潤んだ瞳でそう訴える穂乃ちゃん。
その瞳をじっと見つめる。
「ゴメン……なさい……」
穂乃ちゃんは俺から視線を逸らした。
「どうして謝るの?」
「ついこの前、彼氏にフラれたって泣いてたのにね……。でもね……あの雨の日から……抱きしめられた時から……咲哉さんのことが好きになってたのかもしれない……。都合良すぎるよね」
穂乃ちゃんがクスッと笑った。
俺は、ソファーに横たわる穂乃ちゃんをギュッと強く抱きしめた。