「…………出て行こうと思ってる……」
えっ?
目を見開き、穂乃ちゃんを見る。
「咲哉さん……今まで……」
「嫌だ!」
俺は穂乃ちゃんの言葉を遮って、そう叫んだ。
「何で?どうして?なぁ……何でだよ……」
穂乃ちゃんの両肩を掴んだ。
「…………ゴメン……なさい……」
目を逸らし、そう呟く穂乃ちゃん。
「何で……俺のこと……嫌い?」
穂乃ちゃんは無言で首を左右に振った。
「じゃー……何で……」
「もう……これ以上、私のことで咲哉さんを……苦しめたくないの……迷惑かけたくないの……」
穂乃ちゃんは大粒の涙をポロポロ流しながらそう言った。



