「こいつさぁ……もう3年も片想いしてるんだ」
「えっ？ホントに！？」
穂乃ちゃんがチラッと瑞樹を見る。
「会いに行こうと思えば、いつでも会いに行けるのにさぁ……。顔に似合わず、案外シャイなんだよ」
「そんなこと言うなよ～」
「だってホントのことだろ？」
「まぁ、そうだけどさぁ……」
瑞樹がシュンと落ち込んだ顔をする。
「でも……川瀬さんみたいな方に3年間も想われてる女性も幸せですね」
穂乃ちゃんが、瑞樹をフォローするように言った。
「穂乃ちゃんは優しいね～。どっかの誰かと違ってさ」
瑞樹が穂乃ちゃんに笑顔を見せた後、俺を無表情で見た。
