Kissシリーズ・「お見合いのキス」

「眼も気に入った。野心を持っている眼だな」

やっ野心!? そんな大それたもの、持った覚えは無い!

「俺の妻になれ。お前の望むもの、全て与えてやろう」

…この言葉に、ブチッと切れた。

「なめないでっ!」

どんっと彼の体を叩いて、離れた。

「あなたに与えられるものだけで満足するような女じゃないの! 私はちゃんと勉強して、大学も出て、世界相手に働くんだから!」

………。

沈黙、3分後。

時間と共に私の興奮も冷めていき…自分がやった失態で血の気も引いた。

今…何を言ったの? 私。