Kissシリーズ・「お見合いのキス」

「…写真だけで分かったの?」

「ああ。だから年齢は知らなかった」

それだけが失敗だとでも言うように、肩を竦める。

「けどま、そんなのは障害にもならないか」

そして再び笑うと…いきなりお姫様ダッコして、立ち上がった。

「なぁっ!」

「嫁に来いよ。俺と一緒なら、世界相手に働けるぜ?」

「なななっ…!」

間近で見る彼の野生的な眼を見て、言葉を失う。

確かに…彼と一緒になることが1番の早道らしい。

「…つまり、お互いに利用し合うってこと?」

「それもあるが、まずは…」

彼は外に出て、歩き出した。

「結婚式が最初だな!」

「早過ぎるわ! 私、まだ女子高校生なのよ~!?」

私の叫びは、虚しく庭園に響き渡る。

…世界相手より、彼相手の方が大変そうだ。