え、もうHR終わるの?
まだ5分も経ってないのに?
「大久保の席は入り口側の一番後ろだ」
「はい。ありがとうございます」
入り口側の一番後ろか。
私とはとても遠い。
別にどうでもいいんだけどね。
「星野さん!ルイ君の情報ある!?」
「・・・え?」
「お願い!“情報屋の晶”でしょ?」
「え、えええ・・・!?」
そんな情報知るわけ無いじゃん。
名前と性別しか知らないし。
まだ初対面だし。
りっちゃんに助けを求めてもまだ不機嫌だし。
どんだけ機嫌悪いのよ、りっちゃん。
皆も普通は直接本人に聞けばいいじゃんよ。
「ん?朝から騒がしいね。あら?先生もいないし、どうしたの?」
こ、この声は・・・!?
時間はまだHR中。
そうすると・・・!?
「新八さん・・・!」
「おー、晶じゃん。って。おめーら晶から放れろっ!」
「「は、はい」」
そう、今私を助けてくれた救世主こと、新八(しんぱち)さん。
本名は新井八雲(あらいやくも)。
金髪、ピアスなどと校則違反だらけの高校生。
もちろん、遅刻は毎日ともいっていい。
周りの人は怖がるけど、とても優しい人。
新八さんとは、私が彼女に対する呼び名。

