「そうそう、こちらに伺う前に聞いたのですが、セナ様のご遺体が発見されたそうです」

「・・・やっぱり殺されていたんだな」

セナ・アルフォンソは、ずっと行方不明になっていた。

発見が遅れたのは、スラム街に流れるどぶ川に身ぐるみはがされて浮かんでいたからだ。

「疑心暗鬼で城から逃げ出したんだろうが、逃げた先が悪かったな。もっとも、セナを精神的に追い込んだのは俺だから、俺が殺したことになるのかも知れないな」

「そんなことは……」
ないと言ったところで、何になる?

王が死に、四人いた王子の三人までが世を去った。

残る王子はただ一人。

クリムゾンの目の前にいるイリア・アルフォンソだけだ。