雪恋〜ゲレンデで恋して〜

どのくらい時間が経っただろう。


ふとケータイをみると電源が切れていた。


あっ、昨日充電しないまま寝てたから…


ケータイをポケットにしまい、またゲレンデを眺める。


気づかないうちに結構な時間が経っているのかもしれない。


いつの間にか雪が降りだし、ただ座っていたあたしは体が冷えきっているのが自分でもわかった。


そろそろ帰らなきゃ。


愛菜たち帰ってきたら心配するよね。


そう頭では思っているけど体が動かない。


動かないというより動きたくない。


宿に戻って偶然シンくんに会ってしまったら…


あたしの心はこのゲレンデに本当に吸い込まれたように穴が空いてしまったみたい。


信じてたのにな…


ううん。今でも信じてる。信じたい。


何か理由があってこうなったって。


でもそれを隠されたことが悲しい。そして辛い。


こんなことでこんなになる自分も弱くて嫌。


考えるとまた涙が出る。


椅子の上で体育座りしていた膝に顔を埋めた。