正直、在校生はかったるい。 別に自分に 送られてる わけでもない言葉を 長々と聞いて、 しかもそのあとに 卒業証書授与だって。 なんで一人一人 受け取るかな。 クラスでまとめて もらっときゃ 一瞬なのに。 とくにすることもなく、 自分の髪を いじくっていた あたしの耳に 響いた名前。 『野崎謙太』 「…はい」 それは、 あたしがずっと 恋してた人の声。 ずっとあたしを 呼んでくれた声。