北の子供は驚きました。
自分は、自分の畑の作物を食べていると信じていたのです。

南の神様は言いました。
「私は喧嘩が弱いし、頭も悪いから、いつも北の神様に負けてしまう。
そうして食べ物を奪われてしまうので、仕方なく自分の子供達を食べているのです。
でも大丈夫、私は子沢山で、まだ沢山の子供が居ますから。」


北の子供は困りました。
どうしたらみんなが幸せになれるかわからなかったのです。


「南の神様、あなたが自分の子供を食べずにすむために、
私はどうすればいいのですか?」


すると、南の神様は悲しそうな顔をして言いました。

「まず、食べ物を捨てるのを止めて下さい。
そして、寒い寒いと文句を言うのをやめて下さい。」


北の子供は驚きました。
どちらも当然のようにしてきた事だからです。

「でも、美味しくなくなった食べ物は捨てるしかないし、
コートが薄くて寒いんです。」

南の神様は言いました。
「そうです。
だから、傷んだ食べ物を我慢して食べなさい。
凍える程寒い思いをしなさい。
あなた達の罪はそれほどに重いし
私達の悲しみはそれよりも深いのです。」