母さんが風邪を引いた
だけで、親父が、
海外の出張を取り止めて、
母さんの看病をしていた。

俺が風邪を引いても、
親父は休む事もあった。

母さんに移ったら、
可哀想と言うのが本音だ。

もし翼が倒れたら、
俺が看病をするんだろう。

「俺がバイトの時は、
翼はどうするんだ?」

「この部屋でいるよ。
たまに通訳のお仕事を
手伝うけどね。」

「分かった。
その代わり女性限定。
それだけは譲れない。」

「うん。」

翼の明るい笑顔になり、
思わずキスをした。

「相馬君・・・。」

「好きだよ。翼。」

俺達はそのままずっと、
キスをしていた。