「こらぁー高峰っ! こんな簡単な楽譜が何で吹けないのっ!」 「す、すみませんっ!!」 音楽室の中に、ものすごい剣幕が。 怒られたのは、実はあたし。 高峰優夜 (たかみね ゆうや)。 春から、この吹奏楽部の一員です。 「もういい! 今日は終わりにします。規律、礼っ」 顧問の号令で、部員が楽器を片づけ始めた。 くそぅ…また怒られた。 ほんと顧問のブタマン、うざいんだけど…。 あたしはブルーな気持ちで楽器をケースに押し込む。