「猫、どうしてる?」

「・・・退屈そうにしてる。だから、今日は帰ったら遊んでやるんだ」

今日の予定を少し変換しながら教えた。

セスラの言葉が分かるのは、どうやら僕だけみたいで、

他の人が聞くと、普通の猫の鳴き声にしか聞こえないらしい。

「そっか。・・・お前、最初はいやいや引き受けてたけど、案外仲良くやってんじゃん」
仲良く・・・か・・・?

そう疑問を感じたとき、

『ご主人』

確かにそう聞こえた。

しかも、自分の頭の中から。

「・・・セスラ?」

なんとなく直感的にそう呟いてみた。

『我の声が聞こえるか?』

あ、セスラだ。

あれ?

でも、ちょっと待って・・・。

セスラは僕のことをご主人なんて呼ばないはず・・・。

(うん、聞こえるよ)

頭の中でそう答えた。

『そうか・・・聞こえるか・・・』

そこで突然、線が切れたように、ぶっつり声が聞こえなくなった。

「なんだったんだろう?」