「杏奈、思う存分気持ちぶつけておいで」

「せやで!!もう引き下がられへんねんから」

「大雅の胸に飛び込んでおいで」




3人は真剣な表情で私の背中を押した。



失わんかったらわからんかった。

こんなにも大雅のこと好きやってこと。



大雅がおらん毎日がこんなにおもんないなんて……さ。



悔しいけど、超超超……

私は大雅がすっきやねん!!!



「えへへ」


不気味に笑いながら、廊下を歩く。




また大雅の思うツボなんやろうなぁ。


しっかし、なんでアイツは急に私の前から消えたんやろう。





――トントン


ノックをしてみるけど、美術室には誰もおらん。



真っ暗やし、カーテン閉まってるし。




ガラガラ――